入院準備・入院

6月準備万端快適な入院生活の為に

子供達とのメール交換


主人と共に主治医から 乳ガンについての説明を伺う。
私の病状は 病期(ステージ)Tで約1センチのしこりが有り ガン細胞が乳管等を包む基低膜をやぶって外に出る浸潤ガンと呼ばれるもので ガン細胞の性格としてはおとなしいものから活発なものまであるが 私の場合はちょうど中間あたりであると教えていただいた。

治療方法としてはまず 第一に手術 温存した場合には乳房内再発を予防する為に放射線照射 その後ホルモン療法 化学療法(抗ガン剤)等が 考えられ

私の場合 生検ですでにしこり部分は最小限切除されているので しこりのあった部分を中心に直径5センチに丸く切除し 腋下リンパ節も切除するという乳房円状部分切除術(乳房温存術)も 選択できると伺った。
そして私は 温存術を選択した。
しかし乳房を残すと再発の可能性があり また手術中や手術後の検査で取り残しがあったり再発の可能性が高い場合には 再手術や切除になることもあると 伺った。
また 胸筋や腕にいく血管や神経を露出させて腋下リンパ節の切除を受けることにより腕の筋力低下 運動障害 むくみ等が起きるので術後にリハビリも受けるそうだ
入院期間は10日から20日前後
抗ガン剤治療を含め これから最低1年間は 全力でガンの治療を行わなければならず 乳ガンの場合は 完治まで10年と先生に伺って 不安な未来の あまりの長さに 気の遠くなる思いがした。
最後に先生は主人の方を向いて「ガンの治療には ご家族の支えが とても大切です。特に乳ガンの場合女性にとっては大変に辛い選択をしなければなりません。どうか理解と協力をお願いします。」と おっしゃった。
私は先生の話されるのを 必死になって聞きながら 何故だか妙な違和感を 禁じ得なかった。

何故 私が?しこりも自分では分からないほどだったし もちろん痛みや不快感もなく 毎日元気で 子供達と一緒に 健康には特に気を配りながら 規則正しい生活を していたのに・・・どうして・・どうして・・
生検で切った5センチ程の傷でさえ ひどく痛んだ。それなのに・・・・私に耐えることができるのだろうか?もう今までのような穏やかな暮らしは望めないのだろうか?・・・・

どちらを向いても 何を考えても 不安と恐怖が膨らむばかりだった。
先生とのお話を終えて主人と一緒に家に戻り 心配している子供達にも 正直に病気のすべてを話した。
娘が二人なので やはり母親が乳房の手術を受けることに 抵抗があるようで 特に下の9才の娘は 「ママがかわいそう。ママが痛い思いをするのに耐えられない」と泣く。
上の娘は「きっと元気になれるから がんばって」と応える。
その夜 突然長女が 腹痛を起こした。
ひどく痛むようで体を二つに折り曲げたまま、うなっている。夜遅く救急でP病院に運んだ。
原因のわからないまま 痛み止めを打っていただいて 苦しむ彼女の背中を ひたすら撫でる。
おろおろとするばかりで 何もできない私は 大きく深呼吸をして 自分自身を落ち着かせようとした。
彼女の腹痛の原因は 私の病気のことではないかしら?・・・心配はしていても 次女ほど素直に 自分を表現できない長女は 心配を隠す代わりに 体の方が腹痛という手段で 訴えたのではないかと思った。
苦しむ彼女を 見つめながら 「今からは もっと強くなろう 目を背けずに 現実をしっかり見つめ 娘達がいつか私を思い出に語る時 ”ママはいつも逃げなかった”と言ってもらえるように強くなろう。
この娘達が 私のそばにいてくれるかぎり どんなことでも 耐えていける。」その夜を境に 私は こう決心した。

入院を6月14日 手術日を17日 退院を次女の誕生日である6月30日に決めた。
実は何が何でも次女の誕生日は自宅で一緒に過ごしたくて 退院日を最初に決めて あとは先生にお任せだった。
今まで専業主婦で 一日たりと 家を空けたことのない私には 子供達が私なしで どうやって2週間近くを過ごすのか 想像もつかなかった。
夕食はできる限り 主人が買ってきて食べさせると言う。
いままで お茶だって自分で入れたことのない人なのに・・・ありがたいけど少し不安
私は入院から退院までの間の 日めくりカレンダーを作って 日にち その日の予定 ママから一言 買い物の予定等細々書き込んで かわいいカットも付けて 冷蔵庫に張り付けた。
その作業の為に 丸二日PCの前に座っていた。
入院までの不安な日々を 空白の無いように埋めてしまおうと考えたのである。

その次に 一人でノートパソコンを買いに行った。
我が家はそれぞれが 専用PCを持っていて 長女は ノートでインターネットに接続できる環境にあり アドレスも 持っている。 
次女は9才にしてPC歴5年で2台目のデスクトップを使っている。
私の使用機はデスクトップなので この際ノートPCを買って 病院に持って行き 病院からメールを子供達に送り コミニュケーションを と考えた。
実は 以前からノートが欲しかったので いい口実ができて この時だけは うれしかった。
新しいパジャマやクッション 本 化粧品にノートPC CDやアロマコーディネーターのお勉強道具 まるでお引っ越しのような荷物を 作って 最後には愛用のフルートも入れた。
それを見て 長女が「ママ 楽しそうやね」って笑っていた。 

入院当日 たくさんの荷物と共に 主人に送られてP病院に向かう。
話したいことはたくさんあるのに 言葉にならなくて 「ごめんね たくさん心配させて・・でも 負けないで戦ってくるからね」そんな思いを込めながら そっと主人の手に ふれる。

さぁ ガンと 戦うぞ! 

 



子供達とのメール交換

 

送信者  ママ  宛先 子供達へ 送信日時 6/15
件名 病院より

入院2日目なのに もう 何週間もここにいる気がします。
ねねは がんばって学校に行ったのに キャリーは行けずに ごめんね。
おこらんとってね ねねの気持ちはわかるけど 今みたいな ヒサンな状況 そんなにあるもんじゃないし・・・
これからは キャリーも ママのいない生活に 少しづつ慣れて来ると思うから・・

病院の窓から 我が家が見えるような気がします。(ほんとは見えないけど)
手術の日が過ぎたら ママは退院に向けて 一日づつ近づけるので手術の日が まちどうしいです(ほんとは こわいくせに・・一人ごと)

昨日はねねに優しくしてもらったと キャリーがうれしそうに話してました。いつもよりほんの少しでいいから 優しくしてやってね。お願いします。

病院のご飯はおいしくないとひとりぼやいてるママより

世界中で一番大切な ふたりへ

送信者  子供達  宛先 ママへ 送信日時 6/15
件名 頑張り屋のママへ

たくさんしゃべってごめんね。もう少し、しっかりしていたらママも大変じゃないのにね。やっぱ、ママみたいには、なれないな〜。(あたりまえだって)キャリーかってがんばってるで〜 かしこくしてるからほめたって〜。

ママも手術、頑張りや!!たいへんやけど今はそれしか言われへんから。レイナ本当はすごくしんどいけど心配かけたくなかってん。熱かってあるし でもママのにくらべたら全然平気。本当は学校休んででもママのところにいてあげたい。学校終わるの遅いし、つかれてるから。またメール書いて 返事書くから

レイナとキャリーの大大大好きなママへ


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〜いのち輝いて 乳がんと共に〜